校舎を飛び出し、牧場が地元の小学生たちの学びの場に

神戸牛牧場では、「神戸から、牛とある暮らし。」を合言葉に、牛から生まれる様々な恩恵を届けていけるよう、日々取り組んでいます。なかでも、家族や地域を守りたい想いから生まれた牧場だからこそ、地元に根ざした取り組みも大切にしています。そんなうしぼくで、地元の小学校向けの牧場ツアーを開催することに。牧場が、地域の子どもたちの学びの場になった様子を、一部ご紹介します。

創業時からつないできた、地域への想い

ツアーを始める前に、まずはうしぼくの池内社長と、ツアー案内役の秋山さんを囲んで、みんなで挨拶。牧場に到着した子どもたちは、牛舎で待っている約4500頭の牛たちの気配を感じてドキドキそわそわ。牛たちを見学する前に、まずは牧場から見える神戸のまちの景色をみんなで眺めます。「神戸牛牧場は約4500頭もの牛さんがいる大きな牧場だけど、実は神戸のまちから結構近いんだよ」と、池内さん。自分達が通っている小学校の近くに、こんなにたくさんの牛を飼育する牧場がある事実に、皆さん少しびっくりな表情を浮かべていました。

1968年に、自分達の家族と地域を守っていきたいという想いで、6戸の農家が集まって生まれた神戸牛牧場。そんなうしぼくの地域への想いは、この櫨谷小学校の子どもたち向けの牧場ツアーにも受け継がれています。美味しいお肉を届けるだけではない、牛から生まれる様々な恩恵を地域の人たちに届けていく。地元小学校の学び場として牧場をひらいていくこの取り組みは、「神戸から、牛とある暮らし。」の新たな一歩にもなりました。

命の始まりから終わりまでを考える場所

神戸牛牧場では、仔牛を大人の牛になるまで育てて出荷する肥育を主に行なっていますが、母牛から仔牛を産み育てる繁殖にも新たに挑戦をスタート。そして、2023年9月5日、うしぼく初の仔牛の赤ちゃんが無事誕生!今回の牧場ツアーでは、母牛の「けんけん」と仔牛の「あきちゃん」も見学。餌やりも体験してもらいました。たくさんの大きな牛たちを見た後に目にする仔牛のあきちゃんの小さな体を見て、「かわいい!」と声があがりました。

普段は母牛の隣の柵にいる仔牛のあきちゃん。お乳を飲むときだけ、自分で柵をくぐってお母さんの方へやってくるのだそう。まだ生まれて1ヶ月ほどのあきちゃんは、穏やかな表情で牛舎の中に横たわっていました。一方、お母さん牛のけんけんはとても人懐っこく好奇心旺盛。うしぼくスタッフや子どもたちが寄ってくると、柵からグイッと顔を出してこちらに興味津々です。餌やりをしてみると、けんけんの長い舌に子どもたちはみんなびっくり。繰り返すうちに少しずつ慣れてきて、頭を優しく撫でてあげる子も。「このお母さん牛は、来年も赤ちゃんを産む予定だよ。あきちゃんも女の子だから、将来お母さんになって赤ちゃんを産むかもしれないね」と、池内さん。

肥育だけでなく繁殖の取り組みも始めたことで、命をいただくことだけでなく、命が生まれることにも向き合える場所になりました。お母さん牛の体から、新たな命が生まれてくること。そして、牛たちの命をいただき、私たち人間が生きるための命につながっていること。そんな、“命の始まりから終わり”を考える場所になっていくことを、今回の牧場ツアーで改めて感じました。

(筆:うしぼく牧場ツアー 企画担当 株式会社KUUMA  木村有希)


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