うしぼく通信 vol.9 編集後記

うしぼく通信編集チームによる、編集後記。うしぼく通信制作の裏側に生まれた、誌面には残らない小さいな気づきや温度のあるあれこれ。神戸市内という消費地と近い場所で約4,500頭もの牛たちを育てる牧場だからこそ提案できる、牛とともにある暮らし。うしぼく通信の制作を重ねる度に見えてくる、今の神戸牛牧場と牛たちとのあり方をつづります。


大人も子どもから学ぶ

リニューアルから5号目のVOL.9が、無事発刊。VOL.9のテーマは、“神戸の子どもと、牛”。「子どもの素朴な疑問に、学びの原点が詰まっている」と組んだ、今回の特集。子ども向けに招待制のツアーを実施し、牧場とうしぼく三つ目の直営精肉店『六甲のめぐみ店』を見学しました。

特に印象的だったのは、子どもたちの表情。間近に迫り来る牛を、まじまじと観察する子。感じた疑問を、一生懸命言葉にする子。クイズに正解し、ガッツポーズを決める子。真剣な眼差しで、うしぼくスタッフの話を聞く子。

 

知らないことに出会った時の驚き。自分の予想が当たった時の喜び。“学ぶ”とは、決して難しいことではなく、「なんで?」や「おもしろい!」という感情が原点のはず。そんなことを、子どもたちは表情で教えてくれました。

 

“命をいただくこと”を、どう伝えるか

今回、編集チームで話題になったのは「“命をいただくこと”を、どんな言葉で子どもに伝えるべきか?」ということ。ツアー中、ある子から「牛はどうやって食べられるお肉になるの?」という質問が。オブラートに包んで答えてしまいそうな、この質問。しかし、“生きものの命を奪うこと”、その事実は事実としてそのまま伝えるべきではないか、そんな議論を産みました。『うしぼく通信』を作る編集チームとしても、大切な問いです。

牧場の匂い、飼料の手触り、牛の鳴き声。文章や写真だけでは学べないことが、現場にはたくさん。子どもたちの中には「現場を見て“命をいただくこと”を実感し、牛への感謝の気持ちが湧いた」という感想を寄せてくれた子も。五感で感じて学べるうしぼくツアーに、大きな可能性を感じたVOL.9となりました。

筆:うしぼく通信 企画編集 株式会社KUUMA 木村有希

 

 


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